世の中には免許や資格がないとできないお仕事がたくさんありますね。

大型トラック乗務員、建設重機オペレーター、危険物取扱者 などなど。

 

経営者の理想としては、業務に必要な資格や免許をあらかじめ持っている人を採用できれば良いのですが

人手不足の昨今、贅沢言ってられない事情もあります。

 

そこで既にいる従業員や新たに採用した従業員に免許・資格の取得を命じたり

免許が取れることをメリットとして求人をかけたりすることがあります。

 

免許取得費用は会社持ちで。

 

今回はそんな「業務命令で従業員に資格を取得させた場合の費用」についての話です。

会社が負担した免許・資格取得の費用って給与扱い?

税理士がお客様からよく受ける相談です。

免許や資格自体は従業員個人名で登録するものなわけで、これを会社が負担した場合

これって給与じゃない?会社が従業員に資格をプレゼントしたようなもんでしょ? そしたら源泉徴収しなきゃいけないの?

 

という具合です。

社長!なかなか鋭い!!

 

所得税法では、通常の給与以外に

  • 手当(残業手当とか休日出勤手当とか)
  • 現物給与(自社商品の提供とか社宅の無償貸し付けとか)

などが「給与扱い」するものとされています。

(参考 国税庁タックスアンサーNo.2508 給与所得となるもの

 

免許・資格取得費用は「現物給与」みたいなもんにあたり、原則的には給与として税金がかけられる対象となります。

原則です、あくまで。

 

給与なので経費で落ちることは間違いないのですが、厄介なのが税金を天引きしなきゃいけないということです。

結論:条件さえ満たせば給与じゃない

国税庁の公式見解(「通達」と言われるものです。)では、次の通り述べられています。

使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、役員又は使用人に当該役員又は使用人としての職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させ、又は免許若しくは資格を取得させるための研修会、講習会等の出席費用又は大学等における聴講費用に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、課税しなくて差し支えない。

 

長いんで要約すると

  1. その資格・免許が会社の業務を遂行するうえで必要であること
  2. その資格・免許が職員の職務に直接必要であること
  3. 金額が適正であること

全てを満たせば、給与扱いしなくていいということです。

 

仕事に必要ない資格・免許だと給与、金額が適正じゃない(実費以上に支払うとか)と給与。

当たり前っちゃ当たり前なんですが、ひとつだけ注意点があります。

「直接」必要ってなんなん?

従業員の職務に必要 ではダメなんです。

「直接」必要じゃなきゃいけないんですって。

 

いわゆる「直接性要件」と言われるものなんですが、これがまた意味合いがはっきりしていないから困りものです。

 

例えば旅客運送業(バス)における2種免許は、乗務員さんにとって「直接」必要と言えますが

「我が社のサービスをよりよく理解するために、事務職員にも2種免許を取らせたい」という場合はどうでしょう?

その線引は曖昧ではありませんか?

 

私は旅客運送業の事務職にとって、2種免許が「直接」必要ではないと考えます。

あくまで私は、です。

ですので社長が真に、信念をもっておっしゃっているのならば、給与扱いしないことを止めはしません。

税務署が認めるかどうかは別問題ですが。

 

悩ましい場合には、税理士や税務署へ確認いただいたうえで、のちの課税リスクも踏まえて検討すべきでしょう。

 

一番大事なのは、その費用負担を決断した理由です。

これが語れなければ、簡単に否認されてしまいますのでご注意を。

まとめ

会社が負担した免許・資格取得費用の取扱についてお話ししました。

 

仮に税務調査などで給与として認定がされると、とっても面倒なんです。

税務署へ所得税を追加で納付して、場合によっては延滞税も納付して

そのうえで従業員からも追加徴収しなきゃいけない。

 

後から徴収されるってのは従業員にとっても面白くありません。

なにせ会社命令で資格をとりに行ったわけですから。

なんで俺が負担せねばならんのだ、という話です。

 

可能な限り、費用負担をする前に税務上の取扱を確認しておきましょう。

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