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障害者控除の対象者や控除額、要介護や手帳なしの場合等について解説

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税理士の伴 洋太郎(ばん ようたろう) @ban_tax240です。

自分自身や家族が障害者だと、税金が安くなる制度があるらしい。

障害者控除をうけるためには、どんな手続きが必要なんだろう。

そうお考えの方に向けて書いています。

本記事では、障害者控除という「所得税や住民税がやすくなる制度」について解説しています。

読んでいただければ、次のようなことがわかりますよ。

障害者控除について
  • どんな制度か
    障害者本人や障害者を養っている方の税負担を軽減する制度です。
  • なぜ税金が安くなるか
    障害者本人や障害者を養う方の収入の一部を、税金の対象外にできるためです。
  • どれくらい税金の対象外(控除)にできるか
    障害の程度に応じて、27万円、40万円、75万円のいずれかです(所得税の場合)
  • 対象となるには
    精神、知能、身体に障害のある方が対象です。
    障害者手帳なしでも対象になることがあります。
  • 必要な手続きは
    年末調整または確定申告で自主的に申請する必要があります。

障害者控除とは

白杖を持って横断歩道を渡る様子

障害者控除とは、障害者ご本人や、障害者である家族を養っている方の税負担を軽減する制度です。

「控除」という言葉には、「差し引く」という意味があります。

障害者控除を受けると、障害の程度に応じて、一定金額を税金のかかる対象(「所得」といいます)から差し引く事ができるのです。

所得控除のイメージ図

なお本人が障害者の場合には、所得税だけではなく相続税についても障害者控除が受けられます。

どれくらいの控除を受けられるか

車椅子を押す様子

障害者控除によって受けられる控除額には、3つのパターンがあります。障害の程度や、だれが障害者であるかによって、控除額が変わるからです。

どんな場合にいくらの控除が受けられるかは、下記の表のとおりです。

障害者控除の所得税控除額表

なお住民税を計算する際には、控除金額が変わります。

障害者控除の住民税の控除額一覧

障害者控除の対象となる「障害者」の範囲

シルバーリボンを持つ手

障害者控除の対象となる障害者かどうかについて

障害者手帳を持っていないと、障害者控除の対象とならない

と誤解している方がけっこうおられますが、それはただしくありません

障害者控除の対象となる「障害者」とは次のような方であり、手帳の交付がなくても対象になるケースはあるからです。

障害者控除の対象者一覧

以下、それぞれ解説します。

1.成年被後見人の基準を満たすと診断された方

成年被後見人は、障害者手帳などの交付を受けていなくても障害者控除の対象となります。

障害者控除の対象となるかどうかの判断基準として

精神上の障害により自利を弁識する能力を欠く状況にある

ことが法律で定められていますが、これは家庭裁判所から後見の審判を受ける場合の基準と同じだからです。

裁判所の作成した手引によると、「精神上の障害により自利を弁識する能力を欠く状況」とは、つぎのような状況をいいます。

自己の財産を管理・処分できない程度に判断能力が欠けている者,すなわち,日常生活に必要な買い物も自分ではできず誰かに代わってやってもらう必要がある程度の者です。

なお現に成年被後見人でなくても、その基準を満たす方(医師の診断書などで判断)は、障害者控除の対象となります。

また65歳以上の場合には、後述する「障害者控除対象者認定書」が発行される場合もあります

2.寝たきりで複雑な介護が必要な状態にある方

身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする方は、障害者手帳などの交付を受けていなくても障害者控除の対象となります。

「複雑な介護を必要とする」とは、たとえば介護を受けなければ自ら排便などをすることが出来ない程度の状態をいいます。

このような状態が年度末時点で過去6ヶ月以上続いている場合には、障害者控除の対象となります。

なおそのような状況にあるかどうかは、医師の診断書や民生委員の証明書などをもって確認するほか、65歳以上の場合には、後述する「障害者控除対象者認定書」の交付をもって確認することもできます

ちなみに、要介護認定を受けているかどうかは、障害者控除に影響しません

3.知的機能に障害のある方

知的機能に障害のある方は、障害者控除の対象となります

児童相談所、知的障害者更生相談所などの判定によって知的障害者とされていることが、障害者を受けられる要件のひとつとなっているためです。

判定の内容は、交付された療育手帳の記載内容から確認します。

なお療育手帳は、地域によっては異なる呼び名がついています。

「療育手帳」以外の名称
  • 東京都、横浜市
    愛の手帳
  • 青森県、名古屋市
    愛護手帳
  • さいたま市
    みどりの手帳

4.精神機能に障害のある方

「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けているかたは、障害者控除の対象となります。

この手帳の交付を受けていること自体が、障害者控除を受ける要件となっているためです。

「手帳」といっていますが、自治体によってはカード型のものもあります。

5.身体機能に障害のある方

身体障害者手帳の交付を受けている方は、障害者控除の対象となります。

この手帳に「身体障害をもつ人」として記載されていることが、障害者控除を受ける要件となっているためです。

精神障害者保健福祉手帳と同様に、自治体によってはカード型のものもあります。

6.障害者控除対象者認定書をお持ちの方

市区町村が交付した障害者控除対象者認定書をお持ちの方は、障害者控除の対象となります。この認定書があれば、各種手帳をお持ちでなくても障害者控除が受けられます

障害者控除対象者認定書は、精神又は身体に障害のある65歳以上の方のうち、次のどれかに該当することを市区町村が認定した方に交付されるものです。

障害者控除対象者認定書の交付対象
  • 成年被後見人の基準(上述)をみたす
  • 寝たきりで要介護の基準(上述)をみたす
  • 療育手帳の交付基準(上述)をみたす
  • 身体障害者手帳の交付基準(上述)みたす

なお各種手帳を既にお持ちの場合には、認定書を交付しない自治体が多いようです。

7.その他

以上のほか、つぎの方も障害者控除の対象となります。

その他の障害者
  • 戦傷病者の方
    戦傷病者手帳で確認します。
  • 原子爆弾被爆者の方
    原子爆弾被爆者健康手帳および厚生労働大臣の認定書で確認します。

「特別障害者」の範囲は

アンプティサッカーの様子

障害者のうち特に障害の程度が重い方は、「特別障害者」として控除額が上乗せされます。

特別障害者に該当するかどうかの基準は、障害の内容によってさまざまです。

特別障害者に該当する方
  • 成年被後見人の基準を満たす方
    すべての方
  • 寝たきりで複雑な介護を必要とする状態にある方
    すべての方
  • 知的機能に障害のある方
    等級A(療育手帳)、1度または2度(愛の手帳、愛護手帳)、マルAまたはA(みどりの手帳)の方
  • 精神機能に障害のある方
    等級1の方
  • 身体機能に障害のある方
    等級1または2の方
  • 障害者控除対象者認定書をお持ちの方
    特別障害者として認定された方
  • その他
    戦傷病者のうち、特別項症から第三項症の方
    すべての原爆被爆者の方

必要な手続きは

知的機能障害のイメージ

障害者控除を受けるためには、申請が必要です。

障害者に該当するからといって、自動的に控除されるわけではないからです。

具体的には、つぎのいずれかの方法で申請しなければなりません。

必要な手続き
  • お勤めの方
    「年末調整」をして、障害者控除を受けるつもりがあることをお勤め先へ意思表示します。
  • 個人事業主の方
    「年末調整」をして、障害者控除を受けるつもりがあることをお勤め先へ意思表示します。

なお、お勤めの方であっても確定申告が必要となる場合もあります。

詳しくは↓コチラ。

以下、それぞれの手続方法を解説します。

年末調整

年末調整で障害者控除を申請するためには、お勤め先に提出する書類へその旨の記載が必要です。

記載がないと、年末調整が行われる際に「この人は障害者控除を受けないのね。」ととらえられてしまうためです。

具体的には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類に、次のような項目を記載して申請します。

扶養控除等申告書の障害者控除を各箇所の図解

扶養控除等申告書へ記載する内容
  • 「障害者」欄のチェックボックスにチェックをうつ
  • 本人または配偶者以外が障害者である場合には、その人数
  • 障害者の氏名
  • 同居か別居か(特別障害者の場合)
  • 確認資料の交付日、または障害の状態
  • 障害の程度(等級)

↓書き方の例です。参考にしてください。

障害者控除の扶養控除等申告書への書き方の図解

 

確定申告

確定申告で障害者控除を申請するためには、「確定申告書」へその旨の記載が必要です。

記載がないと、税金が本来より高く計算されてしまうためです。

確定申告書の「第一表」「第二表」という書類に、それぞれ記載すべき欄があります。

確定申告書 障害者控除を書く箇所の図解

第一表
  • 「勤労学生、障害者控除」欄
    控除額を記載します
第二表
  • 「障害者控除」欄
    障害者の氏名を記載します。
    特別障害者か同居特別障害者の場合には、氏名をマルで囲みます。

なお確定申告書にはA様式というものとB様式というものがありますが、基本的にはどちらでも同じです。

書き方の例は↓コチラ。

障害者控除の確定申告書への書き方の図解

まとめ

障害者控除について、解説しました。

障害者控除について
  • どんな制度か
    障害者本人や障害者を養っている方の税負担を軽減する制度です。
  • なぜ税金が安くなるか
    障害者本人や障害者を養う方の収入の一部を、税金の対象外にできるためです。
  • どれくらい税金の対象外(控除)にできるか
    障害の程度に応じて、27万円、40万円、75万円のいずれかです(所得税の場合)
  • 対象となるには
    精神、知能、身体に障害のある方が対象です。
    障害者手帳なしでも対象になることがあります。
  • 必要な手続きは
    年末調整または確定申告で自主的に申請する必要があります。

なお年末調整や確定申告で障害者控除をやり忘れてしまっても、5年以内に確定申告(更正の請求)をすれば、取り返しがつきます。

お心当たりのあるかたは、税理士や税務署へ相談なさってください。

この記事を書いたひと

伴 洋太郎(ばん ようたろう)
伴 洋太郎(ばん ようたろう)税理士
愛知県西尾市にある伴洋太郎税理士事務所の代表です。1982年6月21日生まれ。クラウドを使った業務効率化の提案を得意としています。郷ひろみと間宮祥太朗とばくだんいわを合成したような顔をしている、と言われております。 税法免除大学院1年目に官報合格したという変わり種。freee"マジ価値"meetup!名古屋地区のリーダーです。既婚。詳しいプロフィールはこちら。
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