税理士資格の取得を目指しておられる方向けの記事です。

免除大学院の学費は特定支出控除の対象となるか

税理士の伴@ban_tax240です。

 

毎年8月になると、「税理士試験免除対応」を謳った大学院の学生募集が活発になります。

 

僕自身、4科目目の試験を受けた直後に大学院の説明会を受け、翌春に入院しました。

結局翌年の試験で最終合格し、大学院は中退しましたが。

↓在学中のエピソードはこちら

 

今回は、税法免除大学院の学費と特定支出控除との関係についてお話します。

税理士資格の取得費用も「今では」特定支出控除の対象になっています。

 

以前は対象外だった

サラリーマンが資格取得のために払ったお金は、確定申告の際に費用として申告することができます。

特定支出控除といわれる制度です。

 

税理士資格の取得のために必要となる費用も、当然に対象です。

と、いいたいところですが…。

 

税理士資格の取得費用がこの制度の対象となったのは、じつは平成25年から。

それ以前は、業務独占資格の取得費用は、特定支出控除の対象外だったんです。

 

(ニ)人の資格(弁護士、公認会計士、税理士その他の人の資格で、法令の規定に基づきその資格を有する者に限り特定の業務を営むことができることとされるものを除く。)を取得するための支出で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明がされたもの。

旧所得税法第57条の2第2項

 

業務独占資格というのは、ある業務について、それを持ってないとやってはいけいないと法律で決まっている資格のことです。

診療行為は医師にしか出来ませんし、税務代理は税理士にしかできません。

他にも建築士や社会保険労務士、不動産鑑定士などがあります。

対象外だった理由

 

そもそも特定支出控除は、「支出を余儀なくされた給与所得者への救済措置」として機能しています。

ですから、独立開業できそうな資格は対象外だったわけですね。

 

社畜のための制度なんだから、独立しそうなやつには使わせねー!

とでも言わんばかりです。

 

国税不服審判所も、同じ趣旨のことを言っています。

 

控除の対象とされる特定の支出の範囲も、(中略)サラリーマン特有の支出として限定的なものとされている

 

一転して対象に

ところが平成25年に、これが一転します。

税制改革によって対象に含まれることなったのです。

 

就労の多様化等を踏まえ、現在、特定支出の範囲か ら除外されている弁護士、公認会計士、税理士など、法令の規定に 基づいてその資格を有する者に限って特定の業務を営むことがで きる資格の取得費を特定支出の範囲に追加します。

 

国税庁「免除大学院の学費は認めねー」

よしよし、これで免除大学院の学費を特定支出として還付申告できるぞ!

と思いきや、そうもいきません。

 

国税庁の公式回答として、特定支出に該当しないことがはっきり示されているのです。

 

会計大学院(アカウンティングスクール)に係る支出については、会計大学院は、それを修了することにより、公認会計士試験の一部科目を免除されますが、法科大学院とは異なり、受験資格を得るための支出ではないため、資格取得費としては特定支出とはなりません。

また、税法や会計学に関する研究により修士の学位を取得するための支出についても、これにより税理士試験の一部科目を免除されますが、同様に資格取得費としては特定支出とはなりません。

 

ざんねんでした。

 

 『「資格取得費としては」特定支出とはならない』ということですので、研修費として特定支出になる余地がある、という理解もできるかもしれません。
 通達や国税庁の公式見解に法源性が無いことは明らかです。とはいえ、実務家としては消極的にならざるを得ません。

 

 

まとめ

免除大学院の学費と特定支出控除との関係について、お話しました。

 

とにかく「つかえねー!!!」と悪評高い特定支出控除。

税理士資格チャレンジャーにとってもやっぱり、使いづらいものでした。

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