【家事按分】車関係の按分割合の求め方と仕訳、勘定科目

税理士の伴 洋太郎(ばん ようたろう) @ban_tax240です。

仕事にもプライベートにも使ってる車の費用って、どうやって経理したらいいの?

そうお考えの方へ向けた記事です。

当記事では、個人事業主が「業務専用」ではない車の費用を経費にするために必要な、家事按分について解説しています。

読んでいただくと、次のようなことがわかりますよ!

車の家事按分について
  • 按分の方法
    「業務のために走行した距離」または「業務のために使用した日数」の割合で按分します
  • 仕訳方法
    月ごとまたは年ごとにまとめて按分します。

【前提】家事按分の際、意識すべきこと

個人事業主が仕事・プライベート兼用で使っている車にかかる支出は、その金額に「按分割合」をかけた部分だけが経費として申告できます。

プライベート使用した分については、業務上の経費ではないためです。支払った費用を「プライベート使用分」と「業務使用分」に分ける(按分)しなければならないのです。

その際、意識すべきことがあります。それが「按分方法は合理的に計算されているか?」ということです。

按分割合とは

按分割合は、その車両を業務用に使っている部分の割合で求めます。

その求め方は、具体的に法律などで決まっているわけではありません。

とはいえ、お手盛りでザックリきめてしまうのはいけません。

個人事業主が家事関連費※の一部を経費にするためには次の2つの要件を満たしていることが必要だからです。

家事関連費とは 仕事とプライベートに共通してかかる費用のこと

ひとつでも欠けていたら、経費としては認められません。

経費にするために必要なこと
  1. 業務の遂行上必要であること
  2. その必要な部分の金額が明確に区分されていること

家事按分の方法は、これら2つの要件をクリアするものであることが前提となります。

明確に区分できなきゃ経費にできない

「業務の遂行上必要」という要件については、そりゃそうだって感じですよね?
業務に関係ないプライベートな支払いは、とうぜん経費にはなりません。

大事なのは2番め、「明確に区分されていること」です。ここが抜けてはいけません。

業務使用分の金額が明確に区分できないと、業務に必要であったとしても経費として認められないからです。

ネット上の解説記事では「だいたい50%くらいなら税務署も許してくれるよ~。」みたいに何の根拠もなく書かれているものも見受けられますね。

しかし実際には、そんなユルいもんじゃありません。

【按分割合】距離か日数で計算する

按分割合の計算は、客観的に見て合理的な方法で計算しなければなりません。

ここでは、その方法として合理的だと考えられるものを紹介します。

車両費の按分方法
  1. 走行距離で計算する方法
    最も合理的ですが、計算根拠を残すのは大変です
  2. 使用日数で計算する方法
    簡便的に計算する方法です。めんどい方はコチラ

走行距離できっちり計算する方法

仕事とプライベートで兼用している車の家事按分割合は、「全体の走行距離」に占める「業務のために走行した距離」の占める割合で計算できます

走行距離は、車のメーターで客観的に測ることのできる数値だからです。

たとえば次のような項目を、車を使うたびに記録します。

記録に残しておくこと
  • 日付
  • 乗車、降車の時刻
  • 行き先
  • 乗車した距離

いわゆる「運転日報」で記録するような情報です。

按分割合の計算例

たとえば走行距離の状況が、次のとおりであったとします

事例設定
  • 車両費の金額
    10万円(年間)
  • その車で走った距離
    10,000km(年間)
  • 業務のために走った距離
    6,000km(年間)

この場合、按分割合は60%(=6,000÷10,000)、経費にできる金額は6万円(=10万円×60%)、経費にできない金額は4万円(=10万円-6万円)と計算できます

使用日数で簡便的に求める方法

車の家事按分割合は、業務のために使用した日数で簡便的に計算することもできます。

仕事のある日は仕事の用事でしか乗らないYo!

ということであれば、距離を算定根拠としなくてもソコソコ合理的であるといえるためです。(休日にことさら乗り回すとかだと、アレなのですが)

距離の記録を取るのが面倒であれば、こちらの方法で計算しましょう。

もちろん、業務日数を明らかにできるよう業務記録を残しておくことが重要です。

按分割合の計算例

たとえば使用の状況が、次のとおりであったとします

事例設定
  • 車両費の金額
    10万円(年間)
  • 車を使った日数
    365日とする(年間)
  • うち業務用に使った日数(営業日数)
    250日(年間)

この場合、按分割合は約69%(=250÷365)、経費にできる金額は約6万9千円円(=10万円×約69%)、経費にできない金額は3万1千円(=10万円円-6万9千円)と計算できます

【仕訳】月ごともしくは年ごとにまとめて按分するのが楽

車両費の按分は、月ごとまたは年ごとにまとめてやると良いです。

支払いの都度いちいち按分すると、面倒だからです。

支払ったときには全額を「車両費」で登録しておき、各月末または年末に経費にならない部分(家事部分)を『事業主貸』に振り替えます

毎月の収益管理をしっかりやりたい!

という方は各月末ごとに計12回

とにかく楽な方が良い!

という方は年末に1回、処理しましょう。

車両費を支払ったとき

【仕訳】
借方金額貸方金額
車両費5,000現金5,000

月末時に処理する場合

【仕訳】
借方金額貸方金額
事業主貸2,000※車両費2,000※
支払い時に車両費にした金額(月間合計)のうち、経費にならない部分の金額

年末時に処理する場合

【仕訳】
借方金額貸方金額
事業主貸24,000※車両費24,000※

まとめ

個人事業主が「業務専用」ではない車の費用を経費にするために必要な家事按分について解説しました。

車両費の家事按分について
  • 按分の方法
    「業務のために走行した距離」または「業務のために使用した日数」の割合で按分します
  • 仕訳方法
    月ごとまたは年ごとにまとめて按分します。

この記事を書いたひと

伴 洋太郎(ばん ようたろう)
伴 洋太郎(ばん ようたろう)税理士
愛知県西尾市にある伴洋太郎税理士事務所の代表です。1982年6月21日生まれ。クラウドを使った業務効率化の提案を得意としています。郷ひろみと間宮祥太朗とばくだんいわを合成したような顔をしている、と言われております。 税法免除大学院1年目に官報合格したという変わり種。freee"マジ価値"meetup!名古屋地区のリーダーです。既婚。詳しいプロフィールはこちら。
MENU CLOSE
BANZAI税理士事務所
https://ban-tax.com