クレジットカードの利用料を滞納してたら、「遅延損害金」っていうのを上乗せして請求されたんだけど、どうやって経理したらいいの?
そうお考えの方へ向けた記事です。
当記事では、クレジットカード利用料に付随して支払った遅延損害金の経理処理について解説しています。
読んでいただくと、次のようなことが分かりますよ!
- 勘定科目
「支払利息」で登録します - 消費税の課税区分
「非課税取引」や「非課税仕入」として登録します。
目次
遅延損害金の勘定科目は「支払利息」
クレジットカードの利用料について遅延損害金を支払った際には、勘定科目は「支払利息」で登録します。
遅延損害金は、返済が遅れた分の利息として請求されるものだからです。
クレジットカード利用料は、信販会社が立て替え払いしているお金です。利用者は期日までに立て替えてもらったお金を返済しなければなりません。
遅延損害金とはその名のとおり、名目上は契約不履行(支払遅延)に基づく損害賠償金として支払うものです。
しかし、契約で予め利率が定められている、借入利息と同様の計算方法で請求されるなど、その実態は金利であるといえます。
毎月のお支払い日に支払いができなかった場合、その翌日からご入金をJCBが確認した日まで発生する利息が遅延損害金です。
入金が遅れた月のお支払い金額に対して所定の利率で計算し、翌々月以降の支払い日にその他のご利用分とあわせてお支払いいただきます。
そこで経理上は経済的な実態を重視して「利息」として処理するのです。
消費税の課税区分は非課税
クレジットカード利用料の遅延損害金は、消費税が非課税とされます。
消費税法で、貸付金利には消費税をかけないと特別に決められているからです。
遅延損害金は名目上は損害賠償金ですが、実質的には金銭の貸付利息であることから、非課税仕入として取り扱います。
国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。
第一表 三 利子を対価とする貸付金その他の政令で定める資産の貸付け
再請求手数料は「支払手数料」
遅延損害金と似たもので、「再請求手数料」や「請求事務手数料」というものが請求されることがあります。
こちらは遅延損害金と違って、勘定科目は「支払手数料」で登録します。
再請求手数料は、支払期限までに支払いが無かったため再度請求書の発行がされたときなどにかかるものです。
通常「再請求1回につき◯◯◯円」と定額で請求されるものであるため、利息としての実態がありません。
そこで、遅延損害金とは違って「支払手数料」で登録するのです。
また消費税の課税区分も遅延損害金とは違い「課税仕入」で処理します。
仕訳のしかた
現金で支払った場合、クレジットカードで支払った場合、個人事業主がプライベートなお金で支払った場合の仕訳を紹介します。
現金で支払った場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
銀行口座から振り込んだ場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 1,000 | 普通預金 | 1,000 |
個人事業主がプライベートな財布から支払った場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 1,000 | 事業主借 | 1,000 |
まとめ
クレジットカード利用料に付随して支払った遅延損害金の経理処理について解説しました。
- 勘定科目
「支払利息」で登録します - 消費税の課税区分
「非課税仕入」として登録します。
この記事を書いたひと
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税理士・1級FP。個人事業主や中小法人の税金のお悩みを解決したり、会計処理・税務申告の代行をやったりしています。 freeeが超得意で導入支援の実績多数。一般の方向けのやさしい税務解説記事を書けるのが強みです。詳しいプロフィールはこちら。
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