そもそも金融機関から借りる必要はあるのか?
創業にあたっては、資金調達が必要不可欠です。 自己資金で全部まかなえるよ!という方もいらっしゃるとは思いますが、そのお金はなるべく生活費としてとっておきましょう。 わたくし伴は、事業に必要な資金は- 事業で稼ぐ
- 事業としてお金を貸している人(金融機関)から借りる
当たり前ですが、自己資金が潤沢であるほうがいいに決まってます。なるべく、ということです。
日本政策金融公庫の特徴
金融機関は次の2つに大別できます。- 政府系金融機関(日本政策金融公庫、住宅金融支援機構など)
- 民間系金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンクなど)
国が支援したい層に積極融資
公庫には特別貸付といわれる仕組みがあります。 これは、特定の層に該当する方たちに、より有利な条件(無担保無保証、特別金利など)で貸付を行う制度です。 ここでいう特定の層とは、例えば次のようなかんじです。- 創業間もない、これから創業といったステージ別によるもの
- 女性起業家・若者起業家・シニア起業家といった、性別や年代別によるもの
- 社会に貢献するソーシャルビジネスなど、事業別のもの
- 災害、取引先の倒産により多大なダメージを受けているなど、状況別のもの
特別貸付はほんとにたくさん種類があります。詳しくは公庫の融資制度一覧をご確認ください。
これらの層は、政府が「一億総活躍社会」の実現のために 支援をすべきであると考えているものにほかなりません。
一方で、これらの層は民間の金融機関にとっては「リスクが高い層(事業がうまくいくか心配)」でもあります。
積極的に融資しにくいわけです。
公庫では、この「国の政策」と「民間金融機関の貸出意欲」とのギャップを埋めることを理念としています。
国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
新たに起業される方にとって、大きな味方になってくれると言えるでしょう。
固定金利
通常、民間の金融機関で借金をすると、利息は変動金利(情勢によって利息が変わる可能性があるやつ)となります。 固定金利であれば、将来思いがけず利息負担が増えるという「負のリスク」はおさえられます。 まあ、固定と変動どっちがいいかっていうのは、好みみたいなところもありますけどね。 そうはいっても、創業する方は多大なリスクを抱えて事業をスタートするわけですから、「せめて金利くらいはリスクを最小化したい」という考え方は合理的でしょう。融資実行が早い
融資担当者の方いわく、公庫を含む金融機関の融資は通常、実行まで3〜4週間くらいかかるそうです。 なので、「急に大きな受注を確保できたから、すぐにでも投資資金がほしい!」といった状況には応えにくい事情があります。 ただし、税理士が公庫にたいしてお客様を紹介した場合には- 税理士事務所やお客様先での融資面談が可能(公庫は民間金融機関に比べて店舗数が少ないので、借り主が出向くのが面倒なんです)
- 必要書類(特に経理、申告関係)を公庫と税理士事務所が直接やり取りすることで、書類をすばやく整理できる(お客様の手間が減る)
公庫融資をおすすめする案件
以上をもとに、公庫での融資をおすすめするのは、次のような案件です。- 創業やソーシャルビジネスなど、政策性が高い案件の場合
- 民間金融機関で融資を断られた場合
- 固定金利を希望される場合
- 融資実行を急いでいる場合
まとめ
創業時の借入は公庫をバリ推しします、という話でした。 スタートアップ段階においては、相談できる先って限られますよね。はっきりいって孤独です。 そんなかでも公庫は良き相談相手になってくれます。 積極的に活用しましょう。この記事を書いたひと

- 税理士
- 愛知県西尾市にある伴洋太郎税理士事務所の代表です。1982年6月21日生まれ。クラウドを使った業務効率化の提案を得意としています。郷ひろみと間宮祥太朗とばくだんいわを合成したような顔をしている、と言われております。 税法免除大学院1年目に官報合格したという変わり種。freee"マジ価値"meetup!名古屋地区のリーダーです。既婚。詳しいプロフィールはこちら。
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