相続税対策のアパート経営 リスクは覚悟できていますか?

先日我が家のポストに入っていた、ある金融機関の冊子。 その中に最近良く見るアレが入ってました。   アレですアレ、「賃貸物件で節税対策しませんか?」ってチラシです。 30年一括借上で安心!的なことも書いてあるアレ。   確かに、相続税は安くなるんです。 ただあの手のチラシではおおっぴらにされていない、見過ごされがちな観点があります。 それが今回のお話。   見過ごされがちのはリスクの存在それを誰が背負うのかです。

相続税が安くなることは間違いない

節税の仕組み

巷で言われている、「アパートを建てると相続税が安くなる」というのは事実です。   アパート経営で相続税が安くなるのはなぜか、次の2パターンを例に考えてみましょう
  1. 1億円分の空き地を持っている場合
  2. 1億円分の空き地の上に、1億円分のアパートを借金して建てる場合
  apart1   1億円の空き地には、1,220万円の相続税がかかります。 かたやアパートが建っている場合、正味の財産は1億円でも税額は235万円になってしまいます。 その差、約1,000まんえん!(´Д`)   なぜココまで大幅な減額がされてしまうのか。

借主さんの権利分だけディスカウントされる。

空き地の所有者は、その空き地を自分で使おうが売ろうが自由です。 急に大きなお金が必要になったときに、空き地を売っぱらって工面することも出来ます。   かたやアパートが建っている場合、持ち主はアパートやその敷地を自分で使ったり売ったり取り壊したり、自由にできません。 アパートに住んでる人には、住み続ける権利、敷地を使う権利がありますからね。   相続税を計算するときには、この「自由にできない分」だけ土地やアパートの評価額を減額します。 上記の例では、土地が15%OFF、アパートが30%OFFされていますね。   これが「アパートを建てると相続税が安くなる」と言われる理由です。

相続税と引き換えに背負うもの

アパートを建てるということは、リスクを負うということ

アパート経営っていうくらいですから、大家さんは経営者なんです。 当然、経営にはリスクがつきまといます。  
  • 入居者が集まらないリスク。
  • 家賃相場が低下するリスク。
  • 災害により損失をこうむるリスク。
  • 入居者が問題を起こすリスク。
  • 周辺地域の環境が変わるリスク。
などなど。   そんなリスクと手間を乗り越え家賃を得られたとします。 そこから管理手数料や修繕費や固定資産税を払って、さらに残ったお金から借入の返済と利息の支払いをしなければなりません。 さて、手元にどれだけのお金が残せるでしょうか?   よく「利回りホニャララ%」みたいなことが言われますが、そんなものは目立った空室が出ない場合の目安に過ぎません。   不動産投資、とくに借入が紐づく場合にはキャッシュフローとの戦いが続きます。 下振れリスクを考慮した長期的な収支シミュレーションを必ず行いましょう。   ちなみにこれらのリスクを回避する方法として「一括借上げ」が提案されることがあります。 30年とか35年とかの長期間にわたってアパートをまるごと借りてもらえるシステムです。   一定の家賃収入が見込めることや、管理の手間がかからないなど、オーナにとってメリットがある一方で、近年賃料減額を巡るトラブルなどが発生しています。 消費者庁からも注意喚起がされているほどです。   リスクが無いわけでは決してありません。十分に契約内容を読み込んでから利用しましょう。

リスクは遺された家族が背負わなければいけない。

さて、そんなアパート経営にまつわるリスクですが、自分が背負うのならば自業自得でいいんです。 考えものなのは、そのリスクを背負うのが遺された家族であるということ。   親が遺したアパートについて「面倒なモン遺してくれちゃってさ…。」とおっしゃる相続人も少なからずいらっしゃいました。 相続税を負担してでも現ナマで遺してくれたほうが有難かった、というわけです。   アパート経営は、投資を回収するまでに長い期間を要します。 実行する際には、ご家族ともよく相談してからお決めになってください。

まとめ

節税対策のアパート経営について、見過ごされがちなことをお話しました。   脅すようなこと書いといてアレですけど、リスクってのは下振れリスクだけじゃなくて上振れリスクもあるわけです。 リスクの振れ幅が大きければ、その分めっちゃ得することだって考えれられます。 ただしそのためには、経営に対する努力と覚悟が欠かせません。   相続税対策を主目的とした消極的な不動産投資であれば、そこまでの気合は必要ないかもしれませんが、手間はかかります。 税務申告とかね(・∀・)ニヤニヤ   くれぐれも慎重に検討なさってください。
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伴洋太郎税理士事務所
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