税理士の伴@ban_tax240です。

 

一生のうちに、相続税の税務調査を経験される方はほとんどいないことでしょう。

 

亡くなった方のうち、相続税がかかるのが全国で年間10万人くらい(亡くなった方の約8%)

相続税の課税対象となった被相続人数は約10万6千人(平成27年約10万3千人)で、課税割合は8.1%(平成27年8.0%)

 

税務調査が行われるのが、年間1万2千件くらい(1.2万人÷10万人=12%)

 

実地調査の件数は12,116件(平成27事務年度11,935件)

 

単純計算で言えば8%✕12%=1%。

亡くなった方100人中1人しか税務調査の対象にはならないわけですからね。

 

運悪く税務調査にあたってしまうと、何でそんなことまで聞くん?ということまで聞かれます。

聞かれた側としては、根掘り葉掘りといった印象を持つこと必至です。

 

本日は、税務調査で聞かれる「何でそんなことまで?」という質問をお教えします。

 

そんなことまで聞いてどうすんの?4大セレクション

税務調査官が亡くなった方のお宅などに出張して行う調査を、実地調査といいます。

 

この実地調査。

だいたい午前10時から1時間の昼休憩を挟んで午後4時ごろまで行われます。

 

このうち、午前中が税務調査官から御遺族への質問タイムです

税務調査官は、事前に用意した質問シートにそって質問をしていきます。

そして、回答をシートへ記録する。

 

大変多岐にわたることが聞かれるのですが、その代表的なものを挙げました。

 

趣味

僕が亡くなったら、家族はなんと答えてくれるだろう。

釣りかな?読書かな?

 

少し前だったら試験勉強と答えていたに違いない。

趣味にするつもりなどサラサラ、1ミリもありませんでしたが。

そればーーーーーーーっかりやってましたのでね。

 

亡くなった方にはご趣味がありましたか?

という質問に対して、家族が明確に答えられるとしたら、それはよっぽど好きだったということでしょう。

 

だって普通、家族のちょっとした趣味なんて知らなくないですか?

よほどの熱量がないと、周りがそれを「あの人の趣味」とまで認識しないと思うんです。

 

  • 美術品や骨董品の収集が趣味であったとか
  • よく釣りに出掛けていたとか
  • 冬になると毎週スキーしに山へ行ってたとか
  • 商売仲間とゴルフに励んでいたとか

 

家族が趣味として答えられるレベルでやっていたのなら、持ってたりしませんか?

 

  • 高額な美術品や骨董品
  • 釣り船
  • 別荘
  • ゴルフ会員権

 

などなど。

 

そういった財産が相続税の申告からモレていないか。

その端緒を掴むために聞かれる質問です。

性格

母に言われたことがあります。

「あんたは昔っから何でも自分で決めて自分でやる子だった。」

「手がかからずに楽だったけど、寂しい気持ちも多少あったよ。」と (´;ω;`)

 

こういうやつが亡くなると、相続のときにマジで困ると思います。

家族はその人の財産について把握できることが少ないでしょうからね。

 

ところで、亡くなった方が次のような性格だったならば。

調査官としては「ちょっとそのへん詳しく聞かせてください」と言いたくなるもんです。

 

  • 几帳面で、書類はなんでもかんでもとっておく人だった。
  • お金が大好きで、自分で大事に管理してた。
  • お金の管理に無頓着で、家族に通帳をあずけてほったらかしだった。

 

なぜならば、こんな想像が働くからです。

 

  • 契約書や領収書のたぐいは大事にとってありそうだ。
  • 貸金庫や自宅の金庫にお金をしまいこんであるかも。
  • 勝手に引き出されて家族名義になっているお金があるかも。

 

優しいかったとか、家族想いだったとか、そんなハートフルな説明はこれっぽっちも期待していません。

 

こいつはくせえッー!銭のにおいがプンプンするぜッーーーーッ

ってなご回答を引き出そうとしておるのです。

学歴・職歴・住所歴

地元西尾市の公立小中校を出て、平凡な私立文系を卒業。

 

一般企業に就職するも、程なくしたある日突然

「俺は税理士になる!なるんだーーーー!!」

と、家族に相談もなく会社を退職。

 

会計事務所に勤めながらなんとか税理士資格をとって、独立した矢先に亡くなりました。

 

この程度の実入りのない人生であれば、根掘り葉掘り聞く必要もないでしょうね。

泣けるぜちくしょう。

 

一方で、おや?と思うのは次のような方です。

 

有名大学を出て、有名企業に就職して出世した。

お役人として退職まで勤めあげた。

転勤族で、全国を転々としていた。

 

こういう方について思うこと、それは

 

結構な給料をもらっていたはずだけど、何に使ってたんだろう?

退職金を相当もらっているはずだ。亡くなるまでにどうやって使い切ったんだ?

地方の銀行に口座があったり、不動産を持ってたりするんじゃないか?

 

などということです。

 

学歴とか職歴とかは特に、聞かれると気分が良くないことでしょう。

調査官も同じ気持ちですが、糸口を掴むために不承不承聞いてきます

病歴

一度だけ肺に穴を開けて入院してたことがあります。

それ以外は、まったくもって元気。

ピンピンです。

あとビンビンですっ(*´ω`*)

 

ピンピン状態のときにお亡くなりになるとしたら、不慮の事故とか急病とかでしょう。

 

一方で、長期に渡る入院生活の末にお亡くなりになる方もたくさんいらっしゃいます。

晩年は痴呆が進んでいて判断のつかない状態だったということも。

体に麻痺があって1人で出歩くことが困難であったとか。

 

そういう方の財産について、亡くなる直前に大きな動きがあるとどうでしょう?

例えば預金口座から多額の現金が引き出されていたとか。

所有してたクルーザーが売却されていたとか。

 

ご本人の状態を勘案すると

家族の誰かが、本人の意思に反して資金移動した可能性がある

という想像ができはしませんか?

 

もしくは

「晩年は治療費として多額の費用がかかった。」

という説明の根拠とも成りえます。

 

性格とか学歴とかに比べて、比較的に答えやすい質問です。

質問する側からしても聞きやすい。

よもやま話のつもりでいろいろ話せば話すほど、調査官にヒントを差し上げる結果となります。

 

御遺族についても同じことが聞かれることがある。

以上は被相続人、つまり亡くなった方について聞かれる質問です。

ですが、同じ内容が相続人である御遺族や孫世代についてまで聞かれることがあります。

 

たとえば

  • 孫が私立の医学部に通っているが、学費を相当援助してるんじゃないか?
  • 子どもが最近家を買って引っ越しているが、住宅取得資金の贈与をしているんじゃないか?
  • 子供が収入に似つかわしくない財産を持っている。親から生前贈与を受けたものか?

と予測をたてるためにです。

 

コレ、調査を受ける側の立場としては相当にストレスだと思います。

亡くなった方について聞かれるならまだしもなんです。

 

ご存命の方の勤務先やら就学先やら、そんなもん調査官に教えたくないと言う方はたくさんいらっしゃいます。

捜査には極力協力すべきだけど、どうしても答えたくなければ

何でそんな事まで聞くん?って思われること、相続税調査の現場ではいっぱいあると思います。

調査官と御遺族との間に険悪なムードが流れることもしばしば(^_^;)

 

なので聞かれてムカっとくるようなら、こう聞き返しましょう。

 

それはどうしてお聞きになられたいんですか?」と。

 

あんまりしつこいようなら

 

その質問への回答は強制ですか?任意ですか?」とも。

 

ここまで言えば、それ以上追求してくることも無いんじゃないかと思います。

何かしらの疑いがかかっていない限り。

 

誤解の無いよう申し上げます。

税務調査には極力協力すべきです

そのほうが早く調査が終わります。

やましいことが無ければなおさらです。

 

でも、嫌なもんは嫌でしょう?

そういうときはしょうがないですよ。

まとめ

なんでそんなことまで聞くん?という相続税調査官の質問についてお話しました。

 

とはいっても、これらのことは税務調査の前に聞かれるはずです。

相続税の申告書を作成する税理士に、です。

 

僕も、相続税の申告を承った際には色々聞くこととしています。

正しい申告を行うためには必要なことなんです。

 

なにとぞ、税務調査の予行練習だとおもってご容赦いただけますと幸いです。

おすすめの記事